物権平成26年(2014年)4

登記に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

.Aは,A所有の甲土地をBに売却し,AからBへの所有権移転登記をした後,Bから強迫されたことを理由として,AB間の甲土地の売買契約を取り消した。その後,Cが,Bによる強迫の事実も,Aによる取消しの事実も知らずに,Bから甲土地を買い受け,BからCへの所有権移転登記をした場合,Cは,Aに対し,甲土地の所有権の取得を主張することができる。
.Aが,A所有の甲建物をBとCに二重に売却し,AからBへの所有権移転登記も,AからCへの所有権移転登記もされていない時に,Dが甲建物を勝手に占拠した場合,Bは,AからBへの所有権移転登記をするまでは,Dに対し,所有権に基づき甲建物の明渡しを請求することはできない。
.Aは,B所有の甲土地上に,勝手に乙建物を建築して所有権保存登記をした上,乙建物をCに売却した。その後,Bが,Aに対し,甲土地の所有権に基づき乙建物の収去を請求した場合,Aは,乙建物についてAからCへの所有権移転登記をする前であっても,乙建物の所有権を失ったことを理由としてBの請求を拒むことができる。
.Aは,Bの代理人として,C所有の甲土地をCから買い受けたが,CからBへの所有権移転登記がされる前に,自ら甲土地をCから買い受け,CからAへの所有権移転登記をし,さらに,Dに対して甲土地を売却し,AからDへの所有権移転登記をした場合,Bは,Dに対し,登記をしなくても甲土地の所有権の取得を主張することができる。
.Aは,A所有の甲土地をBに売却したが,AからBへの所有権移転登記をする前に死亡した。Aの法定相続人は,子C及び子Dの二人であり,その相続分は各2分の1であったが,遺産分割協議が調う前に,Cが勝手に甲土地について単独で相続した旨のAからCへの所有権移転登記をした上,甲土地をEに売却し,CからEへの所有権移転登記をした場合,Bは,Eに対し, 2分の1の限度で甲土地の共有持分の取得を主張することができる。