総則平成26年(2014年)9

弁済及び相殺に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

.A名義のB銀行に対する預金に係る通帳と印鑑を窃取したCが,Aの代理人と称して,B銀行から預金の払戻しを受けた場合,Cは,自己のためにする意思でしたものではなく,債権の準占有者には当たらないので,B銀行の過失の有無にかかわらず,弁済の効力は生じない。
.AがB銀行に対する定期預金債権を有していたところ,Cが,Aと称して,B銀行に対し,その定期預金債権を担保とした貸付けの申込みをし,B銀行は,CをAと誤信したため貸付けに応じた。その後,貸付金債権の履行期に弁済がなかったため,B銀行がその貸付金債権を自働債権としてその定期預金債権と相殺をした場合において,貸付けの際に,金融機関として負担すべき相当の注意義務を尽くしていたときは,B銀行は,その相殺をもってAに対抗することができる。
.債務者の弁済が,債権の準占有者に対する弁済として有効となる場合においては,真の債権者は,弁済を受けた者に対し,不当利得返還請求をすることができない。
.AがBに対して取立債務を負っている場合において,その履行期にBが取立てをしなかったとしても,Aが口頭の提供をしていないときは,Aは債務不履行責任を免れない。
.Aは,Bに対する債権をC及びDに二重に譲渡し,それぞれの譲渡につきBに対して確定日付のある証書で通知をしたが,その到達はCへの譲渡についてのものが先であった場合において,BがDに対してした弁済が効力を生ずるためには,Dを真の債権者であると信ずるにつき相当な理由があることを要する。