物権平成28年(2016年) 第5問
Aの所有するカメラ(以下「甲」という。)の取引に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aは,甲をBに賃貸していたところ,CがBの家から甲を盗み,Dに売却した。Dは,甲がCの所有物であると過失なく信じて,現実の引渡しを受けた。この場合,Bは,甲を盗まれた時から2年以内であれば,Dに対し,甲の返還を求めることができる。
イ.Aは,甲をBに売却したが,その売買契約当時,Aは意思能力を有していなかった。その後,Bが甲をCに売却し,Cは,甲がBの所有物であると過失なく信じて,現実の引渡しを受けた。この場合,Aの法定代理人は,Cに対し,甲の返還を求めることができる。
ウ.Aは,その家で甲を保管していたところ,カメラを販売する商人のBがAの家から甲を盗み,Cに売却した。Cは,甲がBの所有物であると過失なく信じて,現実の引渡しを受けた。この場合,Aは,甲を盗まれた時から2年以内であっても,CがBに支払った代価を弁償しなければ,Cに対し,甲の返還を求めることができない。
エ.Aは,その家で甲を保管していたところ,BがAの家から甲を盗み,Cに売却した。その後,Cは,甲をDに転売し,Dは,甲がCの所有物であると過失なく信じて,現実の引渡しを受けた。この場合,Aは,甲を盗まれた時から2年以内であっても,Dに対し,甲の返還を求めることができない。
オ.Aは,甲をBに賃貸していたところ,Bが甲をCに寄託した。その後,BがAに無断で甲をDに売却するとともに,Cに対し以後Dのために甲を占有するように命じた。Dは,甲がBの所有物であると過失なく信じて,Cによる甲の占有を承諾した。この場合,Aは,Dに対し,甲の返還を求めることができる。