ア.Yが本件訴訟の口頭弁論の終結時までに相殺の意思表示をせず,Xの請求を全部認容する判決が確定した場合において,Yが,その後に乙債権を自働債権とし,甲債権を受働債権とする相殺の意思表示をし,Xに対して提起した請求異議の訴えに係る訴訟において,甲債権の消滅を主張することは,この判決の既判力に抵触し,許されない。
イ.Yが本件訴えの反訴として乙債権に基づく金銭の支払を求める訴えを提起した場合において,Xが,甲債権の全部又は一部が時効により消滅したと判断されることを条件として,甲債権のうち時効により消滅した部分を自働債権とし,乙債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは,許されない。
ウ.Yが本件訴訟において乙債権を自働債権とし,甲債権を受働債権とする訴訟上の相殺の抗弁を主張した場合において,Xが,甲債権と異なる他のYに対する債権を自働債権とし,乙債権を受働債権とする訴訟上の相殺の再抗弁を主張することは,許されない。
エ.Yが本件訴えの反訴として乙債権に基づく金銭の支払を求める訴えを提起した場合において,Yが,Xの請求に対し,乙債権を自働債権とし,甲債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは,許されない。
オ.本件訴訟とYのXに対する乙債権に基づく金銭の支払を求める訴えに係る訴訟とがそれぞれ係属している場合に,Yが,本件訴訟において乙債権を自働債権とし,甲債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは,許されない。