ア.憲法優位説の論拠の一つは,条約優位説がもたらす結果に対する批判である。それは,条約締結要件が憲法改正手続よりも緩やかであるので,条約によって実質的に憲法を改正することも可能になることへの批判である。
イ.憲法優位説によれば,条約締結権を定めている憲法の規定は,どの機関が条約締結を担うのか,またどのような手続を必要とするのかについて定めたものであって,条約の効力の根拠を定めたものではない。
ウ.憲法優位説の中にも,条約の違憲審査を控えるべきであるとする考え方がある。それは,憲法第81条の文言に条約が含まれていないことや憲法第98条第2項が条約の誠実遵守を宣言していることを根拠とする。