ア.選挙運動の規律は,選挙制度の仕組みの一部をなすものとして,国会が裁量により定めることができる。衆議院の小選挙区選挙において,候補者以外に候補者届出政党にも独自の選挙運動が認められているのは,選挙制度を政策本位,政党本位にするという正当な政策的目的によるものといえる。
イ.政党は議会制民主主義を支える重要な存在であり,政党間の批判や論評は公共性の極めて強い事項である。したがって,ある政党が新聞紙上の広告で他の政党を批判した場合,それが名誉毀損に当たらない場合であっても,批判された政党は同じ新聞紙上に反論文を掲載する権利を有する。
ウ.憲法は,議会制民主主義を支える不可欠の要素として,政党の存在を当然に予定している。したがって,個人だけでなく,営利法人たる株式会社や特定職業に従事する者についての強制加入団体も,社会的実在として期待される当然の行為として,政党などの政治団体に対して政治資金の寄附を行う権利能力を有する。