ア.前記判決は,国政選挙の選挙権について,「国民の国政への参加の機会を保障する基本的権利として議会制民主主義の根幹を成すものであり,民主国家においては,一定の年齢に達した国民の全てに平等に与えられるべきものである」と指摘しているが,同判決の考え方に従ったとしても,自ら選挙の公正を害する行為をした者の選挙権について一定の制限をすることまで違憲となるわけではない。
イ.比例代表選出議員の選挙と異なり,衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙については,選挙権を行使する者が日本国内の特定地域に現に居住していることを前提としているから,上記判決の考え方に従ったとしても,衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における在外日本国民の選挙権の行使を制限することまで違憲となるわけではない。
ウ.前記判決は,在外日本国民の選挙権行使を制限する公職選挙法の規定について違憲と判断したものであるが,「仮に当該立法の内容又は立法不作為が憲法の規定に違反するものであるとしても,それゆえに国会議員の立法行為又は立法不作為が直ちに違法の評価を受けるものではない」として,立法不作為を理由とする国家賠償請求は認めなかった。