ア.憲法第31条は「何人も,法律の定める手続によらなければ,その生命若しくは自由を奪はれ,又はその他の刑罰を科せられない。」と定めるところ,同条の定める法定手続の保障が及ぶと解すべき行政手続であっても,常に必ず,行政処分の相手方に事前の告知,弁解,防御の機会を与えることを必要とするものではないと解される。
イ.憲法第35条第1項は,本来,主として刑事責任追及の手続における強制について,それが司法権による事前の抑制の下におかれるべきことを保障した趣旨であるが,刑事責任追及を目的とする手続においてばかりでなく,それ以外の手続においても,同項による保障が等しく及ぶと解される。
ウ.憲法第38条第1項は,「何人も,自己に不利益な供述を強要されない。」と規定するところ,自己が刑事上の責任を問われるおそれのある事項について供述を強要されないことを保障するとともに,その実効性を担保するため,供述拒否権の告知を義務付けていると解される。