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人権総論令和元年(2019年) 第1問

私人間における人権保障に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には 1を,誤っている場合には2を選びなさい。

ア.「憲法の人権規定は私人間においても直接適用される」とする説のうち,私的自治の原則により,人権の効力は私人相互間の場合にはその本質的な核心が侵されない限度で相対化されることを認める見解は,こうした相対化を認める限度において,直接適用説といっても間接適用説に類似したものになる。
イ.「憲法の人権規定は,公権力の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障する目的に出たもので,私人相互の関係を直接規律することを予定するものではない」とする説を前提にすると,私人間における権利・自由の対立については,その侵害の態様,程度が社会的に許容し得る一定の限界を超える場合に,私法規定の解釈を通じてその間の適切な調整を図ることができるとの見解は採り得ない。
ウ.「私人間の関係においても,相互の社会的力関係の相違から,一方が他方に優越し,事実上後者が前者の意思に服従せざるを得ない場合,憲法の人権規定は私人間に直接適用される」とする説について,判例は,こうした支配関係はその支配力の態様,程度,規模等において様々であり,どのような場合にこれを国又は公共団体の支配と同視すべきかの判定が困難であるとしている。