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未遂・共犯平成26年(2014年) 第3問

教授Xと学生Yは,次の【事例】における甲の罪責について後記【会話】のとおり検討している。【会話】中の①から⑤までの()内から適切な語句を選んだ場合,正しいものの組合せは,後記 1から5までのうちどれか。

【事 例】 甲は,Vが宅地造成地に駐車して所有・占有していたパワーショベルを盗もうと思い,重機販 売業者の乙に前記パワーショベルを同所から搬出させた。 【会 話】 教授X. 【事例】において,甲が,事情を全く知らない乙に対し,前記パワーショベルは甲の所 有・占有である旨説明して売却し,乙に前記パワーショベルを搬出させたという事実関係 があるとしましょう。甲の罪責はどうなりますか。 学生Y.パワーショベルを搬出したのは乙ですが,乙は,事情を全く知らず,規範的障害のない ままパワーショベルを搬出したので,乙には窃盗罪の[①](ア.故意・イ.法益侵害)がな いと思います。甲は,乙を道具のように利用してVのパワーショベルを盗んだので,窃盗 罪の間接正犯が成立すると思います。 教授X.甲には,いつの時点で窃盗罪の実行の着手が認められるのですか。 学生Y.私は,実行の着手は法益侵害の具体的危険が発生した時に認められると考えた上で,間 接正犯の場合には,被利用者の行為開始時に実行の着手が認められると考えます。したが って,[②](ウ.乙が甲との間でパワーショベルを購入する契約を締結した時に・エ.乙が パワーショベルを搬出する作業を開始した時に) ,甲には実行の着手が認められると思い ます。 教授X.では, 【事例】において,甲が,パワーショベルを盗むため,事情を知らない乙に先ほ どと同様の説明をして売却したが,その後,乙が,宅地造成地に向かう途中で甲の計画に たまたま気付き,自分のものにするつもりでパワーショベルを盗むことを自ら決意して搬 出したという事実関係があるとしましょう。先ほどの場合と何か違ってきますか。 学生Y.乙は,盗むことを自ら決意してパワーショベルを搬出したのですから,乙には窃盗罪の [③](オ.正犯・カ.幇助犯)が成立します。そして,乙には,パワーショベルを搬出する 前に甲の計画を知って規範的障害が認められるので,もはや甲の道具とはいえません。し たがって,乙が搬出した行為を甲の実行行為と評価することはできません。 教授X.その場合の甲の罪責はどうなりますか。 学生Y.甲は,間接正犯を犯す意思で,客観的には乙に窃盗を決意させたので,甲には,窃盗既 遂罪の[④](キ.幇助犯・ク.教唆犯)が成立すると思います。 教授X.これはY君の考え方とは異なるのですが,間接正犯の実行の着手時期につき,利用者が 被利用者を道具として利用した時点とする考え方に立った場合,結論はどのように変わり ますか。 学生Y.甲には,窃盗既遂罪の[④](キ.幇助犯・ク.教唆犯)のほかに,[⑤](ケ.窃盗未遂罪・コ.窃盗既遂罪)の間接正犯が成立すると思います。

語句群

  • ア.故意
  • イ.法益侵害
  • ウ.乙が甲との間でパワーショベルを購入する契約を締結した時に
  • エ.乙がパワーショベルを搬出する作業を開始した時に
  • オ.正犯
  • カ.幇助犯
  • キ.幇助犯
  • ク.教唆犯
  • ケ.窃盗未遂罪
  • コ.窃盗既遂罪

自分の組合せメモ(任意 — 採点に影響しません。選んだ語句は上の本文の空欄に反映されます)

①
②
③
④
⑤