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個人的法益平成29年(2017年) 第9問改題

次のアからオまでの各事例における甲の罪責について,判例の立場に従って検討し,()内の犯罪が既遂になる場合には1を,未遂にとどまる場合には2を,既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。

選択肢

  • 1.既遂になる
  • 2.未遂にとどまる
  • 3.既遂にも未遂にもならない
ア.甲は,会社事務所内において現金を窃取して,戸外に出たところを警備員乙に発見されて取り押さえられそうになったため,逮捕を免れようと考え,乙に対し,刃体の長さ20センチメートルの出刃包丁をその腹部に突き付け,「ぶっ殺すぞ。」と怒鳴り付けたが,偶然その場を通り掛かった警察官に取り押さえられ,逮捕を免れることができなかった。(事後強盗罪)
イ.甲は,行使の目的で,カラープリンターを用いて,複写用紙に真正な千円札の表面及び裏面を複写して千円札を偽造しようとしたが,カラープリンターの操作を誤ったため,完成したものは,一般人がこれを一見した場合に真正な千円札と誤認する程度の外観を備えたものではなかった。(通貨偽造罪)
ウ.甲は,通行中の乙に因縁を付けて乙から現金を脅し取ろうと考え,乙に対し,「俺をにらんできただろ。金を払えば許してやる。金を出せ。」などと大声で怒鳴り付けて反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫を加え,同脅迫により畏怖した乙は,甲に現金を直接手渡さなかったものの,甲が乙のズボンのポケットから乙が所有する現金在中の財布を抜き取って持ち去るのを黙認した。(恐喝罪)
エ.甲は,知り合いの女性乙を自己が運転する自動車に乗せて同車内において強いて姦淫しようと考え,乙に対し,「自宅まで送ってあげる。」とうそを言ったところ,乙は,これを信じて同車に乗り込んだが,甲の態度を不審に思い即座に同車から降りた。(不同意性交等罪)(改題)
オ.甲は,会社事務所にある現金を窃取する目的で,門塀に囲まれ,警備員が配置されて出入りが制限されている同事務所の敷地内に塀を乗り越えて立ち入ったが,同事務所の建物に立ち入る前に警備員に発見され敷地外に逃走した。(建造物侵入罪)