覚せい剤取締法違反被疑事件の捜査に関する次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,誤っているものの組合せは後記1から5までのうちどれか。ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。
【事 例】 路上で騒いでいる男がいるとの通報を受けた司法警察員Xらが,パトカーで現場に駆けつけたところ,甲が上半身裸で大声を出していた。Xらは,甲の言語や態度から,覚せい剤の使用を疑い,職務質問をすべく,パトカーから降りて甲に近づいた。甲は,Xらに気付くと,その場から立ち去ろうとしたため,①Xは,甲を追い掛け, 「待ちなさい。 」などと声を掛けながら,甲の肩に右手を掛けて引き留めた。甲は,ふて腐れた様子で文句を言ったが,それ以上,その場から離れようとはしなかったため,Xは甲の肩から手を離した。Xは,多くの野次馬が集まってきたため,甲に対し,最寄りのH警察署への同行を求めた。②甲は,当初,これを拒否していたが,最終的には渋々パトカーに乗車し,XらとともにH警察署に赴いた。同署に到着後,Xは,甲の左腕に注射痕らしきものがあるのを認め,甲に対し,覚せい剤使用の事実について尋ねたが,甲はこれを否定した。Xは,甲に対し,尿の提出を再三にわたって求めたが,甲はこれを拒絶し続けた。そこでXは,強制採尿もやむなしと考え,③裁判官より強制採尿令状の発付を受けた。Xは,甲に対し,同令状を示して再度尿の任意提出を求めたが,甲は,なおもこれを拒むとともに,最寄りのJ病院へ赴くことをも拒んだ。そこで④Xは,数名がかりで甲をJ病院まで連行した。甲は, 同病院の病室に連行された後も, 身体を動かして激しく抵抗し, 説得にも応じなかったため,⑤Xら数名が甲の身体を同病室のベッド上に押さえ付けた上で,医師において,カテーテルを甲の尿道に挿入して尿を採取した。同尿を鑑定したところ,覚せい剤の成分の含有が認められたことから,甲は,覚せい剤取締法違反(自己使用)の疑いで緊急逮捕された。