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証拠法平成28年(2016年) 第9問

次の教授と学生の会話は,各種書面の証拠能力に関する議論である。①から⑤までの各空欄について,( )内のa・bのうち適切なものを選びなさい。

選択肢

  • a.aが正しい
  • b.bが正しい
①.【教授】刑事訴訟法第321条第3項の「検証の結果を記載した書面」に,捜査機関が任意捜査として行う実況見分の結果を記載した書面(実況見分調書)が含まれるか。 【学生】含まれると考えます。検証と実況見分は,①(a.いずれも弁護人の立会権が明文で認められており b.いずれも客観的・技術的性質を有しており)虚偽が入る余地が少ないからです。
②.【教授】私人が作成した書面について,刑事訴訟法第321条第3項の準用又は類推が認められるか。 【学生】認められると考えます。ただし私人作成書面全般にではなく,②(a.捜査機関の実況見分に準ずるだけの客観性・業務性が認められるときは b.特別の学識経験に基づいた報告であれば)準用又は類推を認めてよいと考えます。
③.【教授】火災原因の調査を行う会社に勤める元消防士(通算約20年間,火災原因の調査・判定に携わった経験のある私人)が,燃焼実験を行ってその考察結果を報告した書面の証拠能力について,判例はどのような判断を示したか。 【学生】判例は,③(a.刑事訴訟法第321条第3項の準用により証拠能力を有する b.刑事訴訟法第321条第3項の準用は否定されるが,同条第4項の準用により証拠能力を有する)旨の判断を示しました。
④.【教授】医師が作成する診断書について,判例は,どの条文を根拠に証拠能力を認めているか。 【学生】④(a.刑事訴訟法第321条第3項 b.刑事訴訟法第321条第4項)を根拠としています。
⑤.【教授】判例によれば,酒酔い鑑識カードの化学判定欄及び被疑者の言語,動作,酒臭,外貌,態度等の外部的状態に関する各記載は,いずれも刑事訴訟法第321条第3項により証拠能力が認められるとされているが,更に警察官が被疑者に質問を行い,これに対する被疑者の応答を記載した部分について,判例はどのように述べているか。【学生】⑤(a.化学判定欄等と一体となって刑事訴訟法第321条第3項により証拠能力が認められる b.警察官作成の捜査報告書たる性質のものとして刑事訴訟法第321条第1項第3号により証拠能力が認められる)と述べています。